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痔の治療

(からだとくらし 2012年8月号掲載)

大田垣純

広島共立病院 外科部長  大 田 垣  純

 主な肛門疾患として痔核、裂肛、肛門周囲膿瘍、痔瘻、肛門ポリープなどがあります。なかでも痔核は肛門疾患の九割を占め、俗称〟イボ痔〝と称される出血や脱肛、痛み、腫脹、分泌物などの症状を呈する肛門に発症する病的状態であります。主な原因は静脈瘤の形成と粘膜の脱出で、それらが単独である場合と、混在型や移行型というべき場合など多様な病態を呈します。慢性的な努責の繰り返しを主因とした不可逆性の退行性変化と考えられます。
 痔核の脱出度の分類としてGoligher分類があります。

Ⅰ度:排便時にうっ血し膨隆する。

Ⅱ度:排便時には内痔核が脱出するが、排便後に自然還納する。

Ⅲ度:脱出を納めるのに用手的還納を要する。

Ⅳ度:痔核が大きく外痔核まで一塊化しているため完全には還納できない。

治療法

 Ⅱ度以上が治療の適応となりますが、出血がある場合にはⅠ度でも治療が必要で、まず坐薬や便通の調整などで保存的に治療を行います。Ⅱ度以上は外科的治療の対象となります。主な治療法として
①ジオンという薬剤を使った硬化療法
②自動吻合器を使ったPPHという手術
③結紮切除術
があります。比較的新しい治療法の硬化療法とPPHは痛みが少ないという利点がありますが、Ⅳ度の痔核には無効なことが多く、結紮切除術はどのような痔核にも有効ですが痛みが伴います。
 実際に診察をしてみないとどの治療法があっているかは判断できませんので、痔でお悩みの方は是非受診してください。出血を伴う場合には直腸癌の可能性もありますので自己判断で治療せず必ず受診してください。

痔の手術と入院

手術室師長  林  操

 痔の手術の入院期間は約四日間で、費用は三割負担の方で、約七万円前後です。(術後の経過、麻酔の種類によって費用は変わることがあります。)
 手術前には、手術室看護師が病室に伺い、手術室への入り方、麻酔のやり方、手術が終わってからのことなどについて詳しく説明を行います。そして、できるだけ患者さんの個別性にあわせた手術看護を行えるようにしています。
 手術室内では入室から退室まで、安全に手術ができるように準備を行っています。腰椎麻酔の場合は意識があります。手術室内は有線放送が流れていますので、お好きなジャンルで気を紛らせて頂くこともできます。どうしても音が気になる方には、ヘッドホンを貸し出すこともできます。是非お気に入りのCDをご持参ください。
 手術中は看護師が必ず側にいますので、安心して手術を受けることができます。