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疥癬(かいせん)をご存知ですか

(きょうりつ便り 2018年6月掲載)

感染管理認定看護師 山下 典恵

疥癬(かいせん)とは何?
疥癬は、ヒゼンダニが原因で起きる感染症のことです。ヒゼンダニが皮膚の角質層に寄生することにより、脱皮殻や排せつ物に対するアレルギー反応によって痒みが出ます。そのため、ヒゼンダニの活動が盛んになる夜間に、激しい痒みが出ると言われています。
手首や手のひら、指の間、肘など、皮膚の柔らかいところに赤いブツブツが表れ、じっくり見ると疥癬トンネルと呼ばれる皮疹(白い筋のような線状の横穴)がみられるのが特徴です。

気温がなぜ関係するの?
ヒゼンダニは、吸血性のダニではなく、角質層にある組織液などを栄養源としており、人間のみで生息します。体温より低い温度では動きが鈍く、16度以下ではほとんど動かなくなります。
そのため、寒い冬は疥癬の症状が出にくいとされています。

ミニコラム
ペットからダニが移ることもありますが、動物に寄生しているダニは人間では繁殖しないので、一過性の痒みを感じる程度で、疥癬とは異なります。

疥癬には種類があります
疥癬には、通常型と角化型があり、上記で紹介した症状は通常型疥癬です。角化型疥癬は、ヒゼンダニの数が100万から200万匹と多く、感染力が極めて強いのが特徴です。症状も、赤いぶつぶつではなく、皮膚が牡蠣殻のようにカサカサして、垢が増えたように角質が増殖し、頭、首、耳にも症状が表れます。
角化型疥癬は、免疫力の低下した人に感染力が高まります。早期に発見することが何よりも大切ですので、上記のような症状がありましたら、早めに皮膚科を受診してください。

疥癬の予防と対策
疥癬にかからないためには、普段から体力をつけて抵抗力を高めることや、清潔にすることが何よりも大切です。体はもちろん、生活空間も清潔に保つようにしましょう。また、疥癬は、皮膚と皮膚との接触によって感染が広がります。万が一、ご家族の中で疥癬にかかられた場合、長時間、肌と肌、手と手が直接触れないよう、また、同じタオルや寝具を使用しないようにしてください。
ヒゼンダニは、高温に弱いので、50度のお湯で10分間、熱処理をしたら、他の衣類と一緒に洗濯ができます。国立感染症研究所によると、20~30分乾燥機にかけると、ダニを殺すことができるそうです。

疥癬は、正確な知識をもって対処すれば恐れることはありません。夏は、あせもや虫刺されが増える季節ですが、“夜になると痒みが増す”と感じたら、そのままにしておかないで、ぜひ、皮膚科医にご相談ください。