スギ花粉症に対する舌下免疫治療法について

アレルゲン免疫療法ってどんなもの?
 まず最初に、アレルゲン免疫療法についてお話したいと思います。アレルゲン免疫療法とは、アレルギー疾患(花粉症や気管支喘息など)の病因アレルゲン(スギ花粉やハウスダストなど)を投与していくことで、アレルゲンにさらされた場合に発症される関連症状を緩和する治療法であり、アレルギー疾患の自然経過を改善させることが可能な治療法です。アレルゲン投与の方法として、今まで日本国内では、皮下注射による免疫療法のみが行われてきました。しかし、欧米では舌下投与による免疫療法が1990年頃から既に行われており、日本でもシダトレンRを使用して、スギ花粉症の患者さんを対象に舌下投与による免疫療法(以下、舌下免疫療法)が可能となりました。

今までの治療とどうちがうの?
 今までの花粉症の治療は、花粉によって引き起こされるアレルギー症状を抑えることが目的とされており、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服や点鼻、点眼がメインでありました。また、マスクや専用の眼鏡を着用することで、花粉の曝露を直接避けることも、花粉症の症状を軽減する目的で大切と思われます。
 しかし、舌下免疫療法は、最初にお話したように、(花粉が飛散していない時期から毎日)花粉エキスを舌下に投与することで、体の中に花粉に対する免疫(いわゆる抗体)を作ることで、アレルギー反応が起きるのを抑制し、花粉症の症状を緩和することができます。他にも抗アレルギー剤の減量や舌下免疫療法終了後も治療効果が持続することが期待できます。また、皮下注射による免疫療法には重大な副作用としてアナフィラキシーがあります。舌下免疫療法においても、アナフィラキシーが起きるリスクはゼロではありませんが、皮下注射による免疫療法よりもかなり少ないとされています。

お困りの方は一度ご相談下さい
 最後に、シダトレンRはスギ花粉のエキスであり、よって、シダトレンR投与による舌下免疫療法は、スギ花粉症にしか効果はありません。他の花粉による花粉症には効果はありません。また、舌下免疫療法を行うに際し、検査や十分な説明を聞いていただく必要があります。スギ花粉症でお困りの方は、一度、ご相談ください。

(からだとくらし2014年10月号)

小児科医長
森下 直人