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妊娠と女性の体重

(きょうりつ便り 2014年12月号掲載)

今、妊婦さんがスマートになり、生まれてくる赤ちゃんが小さくなる傾向があります。低体重で生まれると、将来、糖尿病になりやすいなどのリスクがあるのです。今回は妊婦さんの体重について報告します。

広島共立病院 産婦人科 三田尾 賢 医師

小さく生まれた赤ちゃんは糖尿病になりやすい?
 7、8年前から産科で問題になっているのは、「赤ちゃんが小さくなっている」「お母さんがスマートになっている」ということです。食生活の変化や痩せ願望などの影響で、昔に比べて女性の体型がかなり変わっています。実際、赤ちゃんの出生時体重は、この20年間で約200g減っているという報告もあります。
 では、低体重で生まれた赤ちゃんには、どんなリスクがあるのでしょうか?「小さく生まれると糖尿病になりやすい」といわれ、2,500g以下で生まれた赤ちゃんが糖尿病・境界型になる危険性は、4,300g以上で生まれた赤ちゃんの6倍(1991年)、という報告もあります。
 日本でもこの件に関連した調査を行っています。出生時の体重につき、2,500g以下を低体重、2,501〜3,699gを普通体重、3,700g以上を高体重とし、40〜50代男性を調べた結果、低出生体重で生まれた人の糖尿病発症例が多い、という結果が出ています。
 また、糖尿病患者さんと糖尿病でない人を比較しても、糖尿病患者さんに低出生体重が多かったようです。ただし、小さく生まれた人すべてが糖尿病になるわけではありません。同じ低体重で生まれても、家族に糖尿病の人がある場合は発症率が高くなるなど、他の要因も影響してきます。

やせすぎず、太りすぎず、お産に備える
 特に合併症のない妊娠において、出生時体重はお母さんの妊娠前の体重と妊娠中の体重増加が大きくかかわります。統計的には、痩せ気味の妊婦さんは体重が12㎏~15㎏増加されると低出生体重の頻度は少なくなります。痩せ気味の妊婦さんはなかなか体重が増えませんが、無理に食事量を増やす必要はありません。偏りのない食事をされることが大切です。また反対に、肥満の方が妊娠して体重が10㎏とか増えすぎると一般的に出生児体重は大きくなりますが、妊娠高血圧症候群のリスクが高くなります。妊娠高血圧症候群では胎盤機能が低下し赤ちゃんの発育が悪くなるだけでなく、妊婦さんの健康も悪くなりますので、食事の量と質をコントロールする必要があります。妊娠中は医師のアドバイスによる適正体重を心がけて下さい。妊娠前から、痩せ過ぎないよう肥え過ぎないように、体重には注意をすることが大切です。
 妊娠中の喫煙、家族の方の喫煙による受動喫煙も赤ちゃんの低出生体重の原因となります。喫煙されておられる妊婦さん、その家族の方も妊娠を機会に禁煙をお奨めします。