診療情報がより身近に
PHR(パーソナルヘルスレコード)という言葉をご存知でしょうか? 患者さんが医療機関で診療を受けたり、健康診断を受けたりした際の検査結果や処方された薬の種類をはじめ、個人の健康・医療・介護に関する情報をまとめてこう呼びます。
こうした情報は、これまで医療機関や薬局ごとに保管管理されていましたが、これを自分自身で管理することによって、健康増進や最適な医療サービスの選択に役立てようとする動きが始まっています。
広島共立病院においては、既に2003年度から電子カルテを導入し、院内に設置した専用端末を使って患者さんご自身が閲覧できるシステムを整えていましたが、2023年度に新たに診療情報をスマートフォンで見ることができるシステムの運用を始めました。これからは、専用アプリケーション「NOBORI」をご自身のスマートフォンにインストールすることによって、様々な診療情報をどこでも簡単に確認することができます。
「NOBORI」の色々な機能
【医療情報の参照】
検査結果
血液検査の数値、レントゲン・CT・MRI・内視鏡などの画像がリアルタイムで保存され、いつでもスマートフォンで見ることができます。同じ検査を複数回受けた場合は数値の変化をグラフで分かりやすく表示させることもできます。
Aさんの実際のデータ
服薬情報
処方された薬の種類や量など、これまで紙のお薬手帳で管理していた情報をスマー
トフォンで管理できるようになります。
また服薬予定を登録すれば、服薬のタイミングで通知されて飲み忘れを防ぎます。
行政管理の医療情報を取得
マイナンバーカードとカードの読み取りに対応したスマートフォンがあれば、政府が運営する「マイナポータル」から行政機関が管理する予防接種、妊産婦・乳児・幼児健康診断、健診、薬剤、医療費などの医療情報を取得して「NOBORI」で確認することができます。
【通院の管理】
履歴や予定を確認
過去の通院履歴を見ることができるほか、次回の予約状況も確認できます。予約に関しては通知機能によって1週間前と前日にお知らせがくるので、受診忘れの防止にも役
立ちます。
【医療情報の共有】
ご家族で共有
スマートフォンをお持ちでないお子さんや高齢のご家族がいらっしゃった場合、その方の情報をほかのご家族で共有することができます。また、一人のお子さんの情報を両親で共有することも可能です。
ほかの医療機関の情報も共有
「NOBORI」を運用している医療機関であれば、情報を共有することができます。共有する情報はご自身で選択でき、一度設定すれば以降は自動的に最新の情報が共有されます。広島医療生協の3医科診療所も参加しています。
【セキュリティ】
安全な情報管理
「NOBORI」は当院の画像システムの運営会社「PSP株式会社」が運営しており、データは高度なセキュリティで保護され、免震設計のデータセンターで安全に保管されています。
【「NOBORI」を使うには】
「NOBORI」を利用するには、お持ちのスマートフォンに「NOBORI」アプリケーションをインストールし、最初にユーザー登録を行います。その後、「医療機関の登録」を行うことで利用できるようになります。
医療情報は大切な個人情報なので、広島共立病院では事前にご本人確認を行い、「利用申込書・同意書」にご記入いただいた方の情報のみが「NOBORI」のサーバーに保存されるようにしています。また、ご利用を解約された場合はデータも破棄されますので、ご安心ください。プランは無料と有料があり、その違いは医療情報の閲覧期間(1年間分が無料)で、機能自体に違いはありません。
ご不明な点がありましたら、病院スタッフにお気軽におたずねください。ぜひこのアプリケーションを活用し、ご自身の健康管理や健康増進にお役立てください。