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もしも手や足を骨折したら

骨折の種類
骨折は転倒や交通事故などで起こる可能性のある一般的な外傷の一つです。「骨が折れる」と書いて骨折ですが、二つにポッキリと折れるだけでなく、ヒビが入ったり、押しつぶされて砕けたりと、色々な種類があります。最も気をつけなければならないのは、骨が皮膚を突き破る「開放性骨折」と呼ばれるもので、この場合は、傷から細菌が入り骨髄炎などをおこす危険性が高いので、早期に治療を開始する必要があります。

 

骨折に気をつけましょう!
骨折した時の主な症状は、負傷部位の痛み、腫れ変形などです。「折れたかもしれない」と思ったら、患部を冷やして速やかに医療機関を受診しましょう。特に右上に記載したように、開放性骨折の場合は早期の治療開始が重要です。これから冬を迎えると、寒さで体がこわばったり、雪や凍結などで道路が滑りやすくなったりと、転倒の危険性が高まります。転倒した際に多い骨折部位は、手を突いたことによる手首の橈骨(とうこつ)や上腕骨、それから大腿骨です。骨折治療には時間がかかりますし、特に高齢の方は慣れない入院生活や活動の減少などの影響で認知機能まで低下する場合がありますので、普段から気をつけることが重要です。具体的には日頃から運動をして、常に骨に刺激を与えておくことが予防につながります。

広島共立病院の骨折治療

【診断・検査】

治療の前に行うこと
骨折かどうかの診断は、痛みの度合いや負傷部位の様子、レントゲン画像などの情報を総合して行います。広島共立病院の場合は地域の医院様などからの紹介によって来られた、手術を含めた治療を前提とした患者さんを主に診ています。治療に際して、最近ではレントゲンに加えてCTによる画像診断も活用します。CTの利点は高精細な三次元画像で骨折の様子を確認できることで、レントゲンでは一方向からしか撮影できない複雑な関節部分も断面状に見ることができ、診断や治療方針の決定に大いに役立ちます。

共立病院のCT(コンピューター断層撮影)装置

 

【治療方針の決定】

「保存療法」と「手術療法」
骨折治療で最優先すべきは、早期の機能回復です。患者さんが一日でも早く上肢(手)や下肢(足)の機能を取り戻し、普段の生活に戻れることを第一の目的として治療方法を選択します。 治療は、大きく保存療法と手術療法とに分けられます。保存療法はギプスで患部を固定し、自然に骨がつながるのを待つ治療法、手術療法は患部を開き、人工物で骨を固定する治療法です。どちらの治療を行うかは、患部の状態に加え患者さんの年齢も判断材料です。小児の患者さんであれば、なるべく大きな傷は残したくないので保存 療法が多くなります。特に骨端線(成長する軟骨部分)が閉じていない年齢の患者さんであればなおさらです。10歳未満であれば骨折の治りも早く、保存療法でも早期の治癒が望めます。年齢が上がれば手術療法の方が早期の機能回復につながりやすく、こちらを選択することが増えてきます。

【手術療法】

骨の固定方法
手術療法は人工物を使用して骨を直接固定する治療方法です。固定方法によって「プレート固定」「髄内釘(てい)固定」「鋼線固定」「スクリュー固定」といった種類があり、折れ方や部位によって使い分けます。また、当院では、内視鏡を使用した専門性の高い手術も行っています。転倒時に手を突いた時などに起きがちな手首の橈骨骨折のように、手の関節内の骨折治療で用いる方法で、レントゲンでは正確にわからない関節内の状態を内視鏡で確認しながら手術を行うため、より正確な修復が可能となり、良好な機能回復に貢献しています。

【術後】

手術の後に必要なこと
近年は固定材料や治療の考え方そのものの進歩により、手術後はかなり早くから患部を動かせるようになってきました。当院にはリハビリテーション専門の病棟があり、理学療法士や作業療法士も多く在籍して態勢が整っていますので、治療と並行してリハビリテーションについても計画的に進められます。特に高齢者において早期の離床は寝たきりの防止になり、その後の患者さんのQOL(生活の質)維持にも貢献します。また、固定した人工物を骨が癒合(くっつくこと)した後に取り除くには、もう一度手術をする必要がありますが、こ れについてもメリットとデメリットを勘案しながら、場合によってはそのままにしておくなど、患者さんごとに最適な方法を選択していきます。

市川先生
副院長・整形外科部長
市川 誠