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AEDの使い方は簡単なので、 慌てず、周りと協力して、命を守りましょう

救急車が来る前にAEDを使うことで救える命がある
 近年、病院や学校、駅、公共施設など、さまざまな場所で「AED」と記された小さな箱をよく見かけるようになりました。これは「Automated External Defibrillator」の略で、自動体外式除細動器という医療機器です。
 この機器は、心臓がけいれんして、血液を流すポンプ機能を失っている状態(心室細動、心室頻拍等の致死性不整脈)になった心臓に電気ショックを与え、正しいリズムに戻すものです。
 日本では、年間約6万人以上が心臓突然死しており、致死性不整脈が起こると1分経過するごとに7〜10%救命率が低下します。救急車が到着するまで数分はかかるので、その間、AEDを使ってできるだけ早く電気ショックを与えることで助かる命があるのです。AEDは、操作方法を音声でガイドしてくれるので、簡単に使えます。
 まずはAEDの電源を入れます。フタを開けた瞬間、自動的に電源が入るタイプ、ボタンを押して電源を入れるタイプがあります。後は音声に従い、倒れた人の胸を裸にして電磁パッドを貼ります。自動的に心電図の読み取りが始まり、除細動が必要か不要かを知らせてくれます。必要な場合はボタンを押して電気ショックを与えます。これらの手順は、すべて音声で指示してくれるので、一般の人でも充分使えます。

日頃から処置法を意識しておくこと、知識を身に付けておくことも大切
 不意に心停止で倒れた人を見つけたら
①心臓マッサージ
②救急車を呼ぶ
③AED
の3つを行うことです。しかし、これらの行為は一人ではなかなかできません。倒れた人を目の前にすると気が動転することもあるでしょう。最初に周りの人を呼び、みんなで命を救うことが大切です。日頃から一般向けの救急講座などに参加し、心臓マッサージの方法を知っておくのも良いでしょう。

※資料はPHILIPS社・フクダ電子株式会社より

ito
循環器内科医
伊藤 尚志