いつまでも若いと過信しないこと。他人と比較せず、自分のペースで動いてみよう
平均寿命が延びている今、いつまでも健やかで、心豊かに過ごすためには「健康寿命」を延ばしたいものです。健康寿命とは「心身ともに健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間」のこと。これを延ばすには、介護予防に取り組むことが大切です。高齢者が要支援や要介護の状態になる原因の1つに、転倒・転落などによる骨折があります。人は年齢を重ねると、瞬発力が落ち、バランスが悪くなります。適度な運動を行い、足腰を鍛えることが大事です。
高齢者が運動をはじめるときの注意点は、“まだ若い”と過信しないことです。人と競争するなど無理をして見栄を張らず何事も適度に行いましょう。
疲れたと一日中横になっているのは良くありません。頭と心臓は意外と怠けもの。人間は横になるとすぐ眠くなるようにできています。ずっと運動してこなかった人や身体を自由に動かせない人は、まず座ることから続けていきましょう。座位を維持するためには意外と筋肉を使います。この姿勢が保てるようになったら、立ち上がりの訓練をはじめ、少しでも歩くことにつなげていくといいでしょう。歩く距離を伸ばすなら、犬の散歩もおすすめです。迎えに来てくれる家族のいる方は、ときにはいつもと違う道を歩いて、気分転換を図るのもおすすめです。
身体を動かすことと同様に、人とのコミュニケーションも大事にしよう
気分が良くなれば、何事も前向きに取り組めます。気分よく運動をするには、朝起きたときの「おはよう」の挨拶からはじめてみましょう。散歩中、勇気を出して出会った人に挨拶するのもおすすめします。季節の花を愛でるなど小さな喜びを発見したり、自分を褒めたり、または他人を褒めることも、気分を前向きにするコツです。スポーツ観戦も、脳にいい刺激を与えます。
その他、家事を行うのもいい運動になります。掃除、洗濯、料理をすると思いの外、身体は動いています。なかでも料理は、食材をどう使うか考えたり、段取りを立てたりと頭を使い、人を喜ばせようという気持ちも起こすため、精神面にもいい影響を与えます。
まずは、日常生活に目を向けてみませんか。併存疾患など隠れた病気がある場合もありますので、年齢に応じて定期的に健康診断を受けながら、無理のないように、楽しく運動を続けていきましょう。