摂食嚥下障害とは
摂食嚥下障害は、
食物を認識する→口の中へ取り込む→咀嚼(噛む)→飲み込みやすい形にまとめる→咽頭・食道へと送る(飲み込む)→食道から胃へ送る、という一連の機能に障害があり、食物がうまく摂取できない状態にあることを言います。
当院では、4名の管理栄養士をはじめ、7名の言語聴覚士(ST)が在籍しており入院・通院患者さんの支援を行っています。
言語聴覚士(ST)は、嚥下造影(食べ物がどのように飲み込まれるか調べる方法。造影剤を用いて、嚥下状態をX線透視下で観察します)に関わり、食べることができない問題点が認知面にあるのか、口、咀嚼、食塊形成、喉の機能なのかを評価して、食べる訓練を行います。管理栄養士は、嚥下造影検査用の食事の準備、必要カロリーを摂取できていない場合の食べ物の形状や食材などの検討を言語聴覚士(ST)と連携して行っています。
日常生活の中でできること、気を付けること嚥下障害のある患者さんに向かない食品もあります。
摂食嚥下障害に向かない形態
●サラサラした液体(水、汁物)
●まとまりにくい食材(こんにゃく、ピーナッツ)
●水分が少なくパサパサしたもの(パン、高野豆腐)
●口や喉に貼りつきやすいもの(ワカメ、ウエハース)
●粘りの強いもの(餅、団子)
●すべりのよすぎるもの(ところてん)
●固いもの(タコ、ゴボウ)
●酸味の強いもの(酢の物、柑橘)など
当院では、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013に沿って食事を提供しています。
ご自宅では、市販されている増粘剤でとろみをつけて誤嚥を防ぎ、柔らかく煮込んで食べやすくすることも大事です。食事が減り体重が減少している方は、市販の栄養補助食品を上手く利用されるといいでしょう。
食事を楽しめるよう、季節の食材を使ったり、見栄えの良い既製品の嚥下食を用いたり、家族で食卓を囲むのもおすすめです。
水分を取るときむせる、噛まなくていいものを好むようになる、などの症状がある場合、摂食嚥下障害なのかもしれません。ご本人さんはもちろん、身近にそのような方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。