『細菌培養検査』について知っていますか?
肺炎になった時に「痰を出してください」と言われたことはありませんか。提出された痰は培養検査という検査をするのに用います。感染症を引き起こす微生物には、細菌・真菌(カビ)・ウイルスなどがあり、広島共立病院では主に細菌による感染症を調べるために培養検査を行っています。培養検査とは患者さんが持つ菌を増殖させ、病気の原因となっている菌の種類や効果のある薬を調べる検査です。通常、患者さんから採取した検体(喀痰、尿、便など)に含まれる細菌はごく少量なので、種類を特定することが困難な場合があります。そこで、あえて細菌を増やして特定しやすい状態にするのが培養検査です。方法としては採取した検体を培地(菌が増殖するために必要な栄養が含まれた寒天)に塗り、一定の温度で1日以上培養します。培養された菌はコロニーと呼ばれる目で見えるほどの固まりとなります。コロニーの形が特徴的な菌種であればこの段階で菌の種類を特定することが可能です。必要に応じてさらに他の検査を行って、菌の特定や治療方針の決定に役立てます。菌により増殖しやすい温度や湿度が違うため、検査には数日から数週間かかりますが、少しでも結果を早くお伝えできるように努力しています。