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花粉症の季節がやってきました

 

年々増えている花粉症

 

花粉症とは鼻粘膜のアレルギー疾患の一つで、繰り返し起こるくしゃみ・鼻漏(鼻水)・鼻閉(鼻詰まり)の3つの症状が特徴です。異物である花粉が鼻の粘膜に付着することにより抗原抗体反応が起こり、その結果として放出される化学伝達物質の影響で上記の症状が出てきます。

花粉症に悩む患者さんは年々増えていて、全国調査では1998年に約30%だった有病率が、2019年には約50%近くにも増加しています。このうちスギ花粉症の割合がもっとも高く、2019年では4割近くをスギ花粉症が占めています。理由としては、戦後全国的に植樹されたスギの多くが花粉生産能力の高い樹齢となったことと関係があるとされています。また、低年齢化が進んでいるのも特徴で、症状が重くなると勉強や仕事、日常生活にまで悪い影響が及び、QOL(生活の質)の低下につながっていきますので、適切にコントロールすることが大切です。

なお、花粉症と同じ症状のアレルギー性鼻炎には通年性のものもあり、その原因は主にハウスダストやダニ等です。

 

春から増える主な花粉の種類

 

 

広島共立病院での花粉症の治療

 

【診断・検査】

 

花粉症の診断について

 

前版の「鼻アレルギー診療ガイドライン」では、皮膚テストや血液検査などでアレルギーを引き起こす原因(アレルゲン)を特定する検査の重要性が強調されていましたが、患者さんが増えた現在では、鼻粘膜の所見や症状によってアレルギー性鼻炎であると診断し、治療を始めてよいと変更され、より実地医療に即したものになっています。小さいお子さんに無理に痛みを伴う検査をしなくても良いので安心です。

しかし治療を始めてもあまり効果がない場合や、症状が一年中続くような場合は、花粉以外の原因を探るために血液検査やスクラッチ検査などを行います。これらの検査でアレルゲンが何であるかを調べ、より効果のある治療へとつなげていきます。

(※皮膚に小さな傷を付け、そこにアレルゲンを垂らして反応を観る検査)

 

 

【治療-1】

 

薬物療法

 

花粉症の治療で最初に始めるのが薬物療法です。症状によって「鼻汁・くしゃみ型」、「鼻閉型」、両方を合わせた「充全型」に分けられ、重症度も踏まえて薬を選択します。処方される薬は飲み薬と点鼻薬が主となります。

花粉症の薬物療法はいわゆる対症療法で、症状を抑えることが目的であり、薬を飲む期間は長くなる傾向にあります。患者さんの低年齢化が進んでいることもあり、効果がありながら副

作用が少なく、費用面も考えた適切な薬を選ぶことが重要です。自己判断で市販薬を濫用したりすると逆効果になることもありますので、医師や薬剤師の指導に従って慎重に服薬するよ

うにしましょう。また、花粉症の薬の中には、飲み始めてから効果が出るまでに時間のかかるものもあります。花粉症であるとはっきりわかっている場合、花粉が飛散し始めて症状が出るその前から服薬を始めるのが初期療法です。初期療法によって薬の効果がより上がり、症状が楽になることもありますので、毎年悩まれている方は医師にご相談ください。

さらに既存の治療で効果不十分な重症スギ花粉症の患者さんに対しては、年齢や検査結果等で一定の基準を満たすことが必要ですが、効果の高い生物学的製剤を注射する治療法もあります。

 

薬物療法

 

花粉症の治療で最初に始めるのが薬物療法です。症状によって「鼻汁・くしゃみ型」、「鼻閉型」、両方を合わせた「充全型」に分けられ、重症度も踏まえて薬を選択します。処方される薬は飲み薬と点鼻薬が主となります。

花粉症の薬物療法はいわゆる対症療法で、症状を抑えることが目的であり、薬を飲む期間は長くなる傾向にあります。患者さんの低年齢化が進んでいることもあり、効果がありながら副

作用が少なく、費用面も考えた適切な薬を選ぶことが重要です。自己判断で市販薬を濫用したりすると逆効果になることもありますので、医師や薬剤師の指導に従って慎重に服薬するよ

うにしましょう。また、花粉症の薬の中には、飲み始めてから効果が出るまでに時間のかかるものもあります。花粉症であるとはっきりわかっている場合、花粉が飛散し始めて症状が出るその前から服薬を始めるのが初期療法です。初期療法によって薬の効果がより上がり、症状が楽になることもありますので、毎年悩まれている方は医師にご相談ください。

さらに既存の治療で効果不十分な重症スギ花粉症の患者さんに対しては、年齢や検査結果等で一定の基準を満たすことが必要ですが、効果の高い生物学的製剤を注射する治療法もあります。

 

アレルゲン免疫療法

 

アレルゲンを少量体内に取り込み、体を少しずつ慣らすことで体質そのものを改善して治癒を目指すのがアレルゲン免疫療法です。舌の下にアレルゲンを投与する舌下免疫療法(SLIT)の登場により、かなり知られるようになってきました。治療には3年から5年と長い期間が必要で、現在はスギ花粉症とダニアレルギーにしか対応していませんが、根本的に治すことが期待でき、副作用の心配も少ない治療法です。

 

【治療-2】

 

手術療法

 

薬物療法であまり症状が抑えられず、症状が重く、さらには鼻腔(鼻の中)の形に異常があるなどの場合は手術を行うこともあります。

手術は内視鏡を使って行い、変形した鼻中隔(びちゅうかく/鼻腔を左右に隔てる壁)や肥厚した下鼻甲介(かびこうかい)の骨や軟骨、変形した粘膜を一部切除することで鼻の通りを改善します。またその際、鼻汁やくしゃみを良くする目的として後鼻神経の枝の切断を同時に行うこともあります。

手術療法は一年中、鼻詰まりを中心とした重い症状に悩まされ、薬の服用を続けている患者さんにとっては期待の高い治療法です。定期的な通院が負担になったり、眠気など副作用を避けたい患者さん、また今後妊娠や出産を考えていて薬を飲みたくない患者さんに適しています。

 

【普段の生活でできる対策】

 

【ポイント】

できるだけ体内に入る花粉の数を減らすことが肝心です。花粉はウイルスや細菌よりもずっと大きいので、薬品等を使わずに避けたり除いたりすることができます。

 

花粉症は花粉に対する体の反応ですので、原因である花粉をできるだけ中に入れないことが一番の対策となります。それにより、少しでも症状を軽くしたり、まだ花粉症になっていない方の予防につなげることができます。

簡単で有効なのはマスクと眼鏡です。マスクは吸い込む花粉の総数を1/6から1/3まで減らせ、眼鏡をかけると目に入る花粉の総数を1/3から半分にまで減らすことができると言われています。

また、花粉が飛び始める前から対策することも重要で、そのためにテレビや各種WEBサイトなどで花粉の最新情報に常に気を配っておくようにしましょう。

耳鼻咽喉科医長
津田 敬