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糖尿病の予防には、健康な食事や適度な運動を心がけましょう。

(きょうりつ便り 2015年3月号掲載)

森下尚明

広島共立病院 内科 副院長 森下 尚明 医師

インスリン不足や働きが悪いことで発症
 「糖尿病」という病名はよく聞くと思いますが、どんな病気なのか、きちんと知っていますか?糖尿病は、膵臓で作られるインスリンというホルモンの量が不足したり、働きが悪かったりすることが原因で、血液中の糖分が多い=高血糖が長く続く状態を言います。
 糖尿病は1型と2型があります。1型は、膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されず起こるもので、子どもや若者に多いのが特徴です。
 2型は、インスリンの分泌不足や働きが悪くなって起こるもので、40歳以上に多く見られます。現在、糖尿病患者は予備軍を含めると約2,050万人いると言われ、6人に一人、40歳以上では3人に一人というデータがあります。
 糖尿病の症状は、ほとんどの場合、無症状です。高血糖が進行すると、のどが乾く、尿の量が増えて頻尿になる、疲れやすい、体重が減るなどの症状が現れます。
 主な原因は①遺伝②環境が考えられます。身内に糖尿病患者がいる場合、いない人に比べて発症する可能性が高くなります。環境が原因の場合は、食べ過ぎや運動不足、ストレスなど、日頃の生活習慣によるものと言われています。また、日本人はもともと糖尿病に罹りやすく、さらに食事の欧米化なども起因して糖尿病のリスクが高まっているのです。

命に関わる合併症を併発する怖い病気
 糖尿病が怖いのは、さまざまな合併症を引き起こすことです。糖尿病の合併症は①細小血管症②大血管症の2つに分けられ、①はさらに3大合併症と言われる網膜症、腎症、神経障害を引き起こします。網膜症は視力障害になり失明の危険、腎症は腎臓の働きが低下して人工透析の危険が、神経障害は手足がしびれ、壊疽にまで進行すると足の切断に至るなどの危険があるから怖いのです。また、大血管症は、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などを引き起こします。さらに、歯周病や認知症を発症することもあり、「万病の元」と言われる所以です。
 糖尿病の判定は、血液検査でHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)と血糖値を調べて行います。糖尿病と診断されたら、食事療法と運動療法、薬によって血糖値をコントロールしていきます。食事は、患者さんだけを別メニューにするのではなく、家族みんなで取り組み、1日3回規則正しくバランスの良い食事をすることが長続きのコツです。運動は、いつでもどこでも一人でも取り組める有酸素運動が望ましく、ウォーキングがおすすめです。そして薬は血糖降下薬を飲む、あるいはインスリンを注射します。
 糖尿病の予防は、日頃から健康な食事、適度な運動を心がけ、太りすぎないこと、そして定期的に検査を受けることです。

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