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スギ、ダニの舌下免疫治療法の適応年齢が変わります

小児から舌下免疫療法が可能に
舌下免疫療法は、アレルギー疾患の原因アレルゲンを患者さんの体に取り込み免疫(抗体)をつくることで症状を緩和する治療法です。皮下注射のような痛みを伴わず、アナフィラキシー反応のリスクがかなり低いことから、近年この治療を受ける患者さんが増えてきています。
これまでスギの舌下免疫療法(シダトレン®:液体)と、ダニの舌下免疫療法(ミティキュア®:口の中で溶ける錠剤)は、12歳から65歳までが適応年齢でした。2018年3月からは、ダニの舌下免疫療法の適応年齢が拡大されて小児に対する年齢制限がなくなり、スギの舌下免疫療法も2018年6月末からは5歳から可能になる予定です。スギの舌下免疫療法で使用する新薬「シダキュア®」は、タブレット錠で口の中で溶けるタイプのものになりますので、お子さんでも服薬しやすいのが特長です。

気になる副作用について
 鼻水や目のかゆみといった症状を抑えるための治療と異なり、症状がおきないよう原因アレルゲンを体内に取り込み抵抗力をつける舌下免疫療法。治療を開始すると、鼻水が出る、喉がイガイガするといった副作用が出ますが、大半の患者さんは1ヵ月程度で抵抗力が付いて徐々に症状が消えていきます。一般的にスギの舌下免疫療法の有効率は7~8割といわれていますが、現在広島共立病院においてこの治療を受けられている患者さんの有効率は100%で、皆さん症状が軽くなっています。
ダニアレルギーは、スギ花粉症と異なり1年中症状が続くため、ご自身がダニアレルギーであることに気付いていない方が多いように感じます。特に小学生のお子さんなど、鼻水がダラダラ出るといった症状が緩和されると、勉強などへの集中力も向上しますので、検査を受けられることをおすすめします。
広島共立病院では、患者さんが何に困っているのか、どんな治療を希望されているのか、しっかり把握することから診療をスタートしますので、お気軽に当院小児科にご相談ください。

[治療期間]4年(最低2年)/有効期間:約8年(治療期間含む)
[通院]治療を始めて3週間は週に1度、その後は月に1度の通院となります。
[費用]年間約15,000円(健康保険3割自己負担分)
■スギの舌下免疫療法は、花粉シーズン中には行えません。1月から5月は治療がはじめられないと考えてください。ダニの舌下免疫療法はいつでも開始できます。また、スギとダニの舌下免疫療法を同時に受けることも可能です。

morishita
小児科医長
森下 直人