救急医療、リハビリテーション、緩和ケア、ヘルスプロモーションを4つの重点課題としてハード面・ソフト面を整備し取り組んでおります。

村田 裕彦 (むらた ひろひこ)
広島共立病院 院長
当院は、医療機関の少ない安佐地域の入院医療向上を目指して、地域の方々の手によって1977年に開設されました。2014年に現在地に新築移転し、2017年には開院40周年を迎えました。「無差別平等で質の高い医療を追求する」をミッションとし、「患者の人権を守り、安全・安心で信頼される医療を実践する」を医療理念として日常診療を展開しております。また、広島医療生活協同組合が設立母体であり、「明るいまちづくり」「地域まるごと健康づくり」をスローガンに、様々な活動をおこなっております。
当院が存立する安佐南区は、広島市内でも一番人口が増え続けている地域であり、各年齢層とりわけ高齢の方々が増加しています。人口の割には医療資源が乏しく他地区に頼るところ大でありますが、地元でできることは増やしていきたいものです。いざという時の入院医療や救急医療は重要で、脳卒中など障害を持たれた方の社会復帰に向けてのリハビリテーションも重要です。また、今後も増加する癌に対する緩和ケアは不可欠です。そして、何よりも病気にならない取り組みが最も重要だと感じております。当院は、これらの救急医療、リハビリテーション、緩和ケア、ヘルスプロモーションを4つの重点課題としてハード面・ソフト面を整備し取り組んでおります。
国が進めております地域包括ケアシステムは、住み慣れた地域でその人らしく生活しケアも受けられるしくみです。当院は、在宅医療を受けておられる方の入院対応や、日常生活圏域(安佐・安佐南中学校区)での訪問診療を行うなど、地域包括ケアの充実に努めております。
地域の皆様が医療機関を円滑に利用できるように、当院は医療機関間の連携を重視しております。年間約4千人の入院患者さんのうち半数以上が、他の医療機関からの紹介であり、入院紹介元の医療機関は100を超えております。この中には、地域のクリニックの先生からだけでなく、他区の基幹病院からの紹介患者さんも多くおられます。当院での精密検査や治療を終えた方は、地元のクリニックでの通院治療をお願いしております。当院で対応困難な病気の場合は、ご本人ご家族のご希望をお聞きした上で適切な医療機関に紹介し、地域の中核拠点病院として役割を果たさせていただいております。
当院の入院病床は186床ですべて一般病床です。内訳は急性期病床(DPC、7:1入院基本料)が2病棟86床、回復期リハビリテーション病棟が44床、地域包括ケア病棟37床、緩和ケア病棟が19床となっております。個室率は29%で、すべての病床で差額室料は適応しておりません。入院診療科は内科、整形外科、外科、小児科、リハビリテーション科、緩和ケア科、耳鼻いんこう科で常勤医師が対応しております。外来ではその他に婦人科、泌尿器科、眼科、皮膚科、脳外科、心臓血管外科、脳神経内科、精神科があり、常勤医がいない科は大学病院等からの非常勤医に応援していただき診療しております。内科では、総合診療科・循環器内科・消化器内科・糖尿病内科が積極的に急性期医療を担っております。外科は、消化器外科が中心で大腸癌・胃癌・胆石・ヘルニア・痔および急性腹症等の手術を行っております。整形外科は外傷一般と高度な技術が必要な手の手術を行っております。小児科は感染症治療が中心となりますが、専門領域として成長障害やアレルギー疾患の診断・治療を積極的に行っております。
当院は中小規模ですが、地域で求められる医療を積極的に展開し、「“総合力”で地域のいのちを守る」病院として、約450名の職員が一丸となって医療の質を高める努力をしております。しかしながら力及ばぬ点がまだまだございます。皆様のご意見を当ホームページや院内に設置しております「声の箱」にお寄せ下さい。積極的にカイゼン活動に生かして参ります。
ご利用の皆様、関係諸機関の皆様、引き続きご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。