大腸がんの原因と症状
小腸で栄養分を吸収された食物の残りから、さらに水分を吸収し便を作り出す働きをしている大腸。盲腸、結腸、直腸と呼ばれるこれらを合わせた部位である大腸にがんができたものを「大腸がん」と呼び、近年増加傾向にあります。遺伝的要因のほか、食生活の欧米化などの生活習慣も原因と考えられています。初期症状はほとんどなく、出血や腹痛、吐き気などが見られる場合は、病状が進行していることがあります。
大腸がん検診の流れ
大腸がん検診は、対策型大腸がん検診と呼ばれる、市町村などの自治体や職場で行う検診が広く知られています。対象年齢は40歳以上で、年に1回の受診が推奨されています。検診を申し込むと事前にキットをもらえるので、それらを使って便潜血検査を行います。排出した便の表面を付属の棒でこすり取り、採便容器に入れて2日分の便を提出します。便を取りすぎたり、同じ便を提出すると正しい検査ができないので注意しましょう。ここで何らかの異常が発見された場合は、大腸内視鏡検査や注腸X線検査などの精密検査が行われます。通常は下剤を飲んで腸の中をきれいにしてから観察する内視鏡検査が用いられることが多く、前処置から説明までを含め半日程度の時間を要します。大腸カメラの挿入を不安に思う人も少なくありませんが、広島共立病院では鎮静剤を使い、リラックスした状態で検査します。個人差はありますが、手術痕がなく腸の形状が極端なものでなければ、挿入自体は観察を入れて20分程度で終了します。
定期的な受診で早期発見を
大腸がんは男女合わせると患者数が2番目に多いがんとされていますが、初期の段階で見つかれば治る確率が非常に高いがんです。前段階のポリープは6mm以上になるとがんの可能性が高くなるので、小さなうちに見つけて早めの処置を施すことが肝心です。また、大腸がんであったとしても、初期段階であれば開腹手術をせず大腸内視鏡でがん細胞を取り去ることができます。いずれにしろ、定期的に検診していかに早期で発見できるかが大事です。症状がある方は早めに医療機関を受診し検査を受けましょう。大腸内視鏡検査は保険適用で5000円程度で受けられます。なんらかの不安がある場合、早めに受診しましょう。