外科

各医療機関の先生方、いつも大変お世話になっております。今回は広島共立病院外科について紹介させていただきます。
外科はわたくし大田垣と長嶺一郎医師、2019年4月から常勤となった郷田紀子医師、中島千佳医師の4人体制で診療を行っています。平均年齢はかなり若返り女子率が高くなりました。郷田医師は8月から11月まで産休のため、今は木村まり先生に週3回乳腺外来をしていただいています。
当病院の外科では主に消化器疾患を扱っています。具体的には、悪性疾患では大腸癌、胃癌、肝癌、胆嚢癌、膵癌などです。良性疾患では胆石症、胆嚢炎、虫垂炎、大腸憩室炎、鼠径ヘルニアをはじめとする各種腹壁ヘルニア、肛門疾患を扱っています。また気胸などの呼吸器疾患や乳癌などの治療も行っています。乳腺関係の診療は女性の専門医が担当しています。当院独自の治療というものはありませんが、各疾患のガイドラインに従った治療を行っています。
私たちが今、最も心がけているのは低侵襲な治療で、最近は高齢の患者様が多く、それぞれの方の病状や体の状態に適した体に優しい治療を行えるよう工夫をしています。その一環として腹腔鏡下手術も多く行っており、大腸癌の大部分、胆嚢摘出術、虫垂炎、早期胃がん、胃十二指腸潰瘍穿孔などには腹腔鏡手術を行っており、気胸に対する胸腔鏡手術も行っています。
癌の治療ではその進行度により早期癌であれば縮小手術を行い、進行がんに対しては手術だけでなく、必要な症例には抗がん剤治療も併用して行っています。進行再発がんに対しては緩和ケア科と連携しながら抗がん剤治療などを行っています。
数年前から当院では、急性虫垂炎の保存的治療を積極的に行っています。多くの方が急性虫垂炎は手術をしなければならないと思われているようですが、抗生剤による保存的治療で多くの軽症~中等症の急性虫垂炎は治ることが明らかになっています。保存的治療後1年での再燃率は20~30%と低く、保存的治療の手術に対する非劣勢は証明されてはいませんが、手術が必要ではない症例が多くなっています。実際に保存的治療を希望される方は過半数を占めます。手術と保存的治療のそれぞれの利点と欠点を十分に説明して患者さんのご希望に合った治療法を選択していただくようにしています。CTでの急性虫垂炎の診断率は非常に高く、虫垂炎が疑われる症例はいつでも気軽に紹介してください。
また外来での中心静脈リザーバー植え込み術なども行っていますので、地域連携を通じて紹介していただければ対応します。
安佐南区で唯一外科手術を行っている病院として頑張っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

外科部長 大田垣 純

治療・検査の特徴 ~単孔式手術も導入~

広島共立病院の外科手術件数

広島共立病院外科は5人の医師で手術や診療を行っています。2011年度の外科総手術件数は411件で、そのうち57%が全麻手術であり、緊急手術は54件でした。消化器の手術が多く、最も多いのは胆嚢摘出術で37例で、虫垂切除が22例、直腸癌を含む大腸癌が年間42件、胃癌は20例ありました。過去5年間で肝切除は17例、膵癌(膵頭十二指腸切除)は6例手術を行っており、消化器癌全般の手術に対応できるようにしています。また、乳癌は47例、甲状腺癌は19例行っています。いずれの癌も癌治療ガイドラインを順守した標準的手術を行っています。

緊急手術に対応しています

 緊急手術で多いのは穿孔性腹膜炎や絞厄性イレウス(腸閉塞)ですが、虫垂炎は保存的に治る症例も多く、またCTで確実に診断できるため、腹膜炎を合併したもの以外はあまり手術は行っていません。急性胆嚢炎では発症早期のほうが安全に手術が行え、治療期間も短縮できるため、発症後早期に受診された症例に対しては積極的に手術を行い良好な結果が出ています。また十二指腸潰瘍穿孔例でも年齢が若く状態の安定している症例では保存的治療を優先しています。

術後化学療法

 当院で手術を行った癌患者さんの術後の定期的follow upもきちんと行っています。そして、原則的にhigh risk stageIIとstageIIIの患者さんには術後補助化学療法を行っています。切除不能癌や再発癌に対する化学療法も積極的に行っています。ガイドラインに準じ、それぞれの症例に適した治療を選択し、患者さんの希望に沿って主に外来で行いますが、入院でも行っています。特に大腸癌では化学療法の有効性が改善され、FOLFOX(フォルフォックス)*1、FOLFIRI(フォルフィリ)*2や分子標的治療などを行い良好な結果が出ています。

鏡視下手術の積極的導入

 内視鏡手術も積極的に取り入れ、若年者気胸では全例、急性虫垂炎や胆石、胆嚢炎に対してはほとんどの症例を腹腔鏡下手術で行っています。また潰瘍穿孔や、症例が限られますが癒着性イレウスにも腹腔鏡下手術を行っています。胃癌では早期胃癌の幽門側胃切除に、また大腸癌で直腸癌以外の早期癌には腹腔鏡手術を行っていますが、今後は適応を広げていく予定です。最近話題になっている単孔式手術も導入準備を進めており、最近軽症の虫垂炎症例に対しこの手術を行いましたが、今後は胆嚢摘出術や結腸切除などにも適応を広げる予定です。

中心静脈リザーバー植え込みもOK

 また難治性腹水に対する腹腔静脈シャント*3や、外来での中心静脈リザーバー*4植え込みなども行っておりますので、そのような処置が必要な患者さんがおられましたらご相談ください。

2年後には病院を新築する予定ですので、より良い施設で患者さん方にさらに十分満足していただける治療が行えるようになると思います。

外科部長 大田垣 純

医師紹介

大田垣 純

大田垣 純

オオタガキ スナオ

役職副院長、部長
出身大学広島大学
卒業年度1980年
主な取得資格・所属学会外科専門医・指導医、消化器外科認定・専門医、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本乳癌学会、日本内視鏡外科学会、日本臨床外科学会、日本大腸肛門病学会
長嶺 一郎

長嶺 一郎

ナガミネ イチロウ

出身大学広島大学
卒業年度2000年
主な取得資格・所属学会外科専門医

郷田 紀子

ゴウダ ノリコ

役職医長
出身大学大分大学
卒業年度2008年
主な取得資格・所属学会外科専門医、乳腺専門医、検診マンモグラフィ読影認定医、がん薬物療法専門医、乳腺超音波資格医、日本外科学会、日本乳癌学会、日本臨床腫瘍学会、日本臨床外科学会

中島 千佳

ナカシマ チカ

出身大学山口大学
卒業年度2013年
主な取得資格・所属学会外科専門医、検診マンモグラフィ読影認定医