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食物アレルギーの診断と治療

(きょうりつ便り 2014年6月号掲載)

食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎など皮膚障害と深い関係があります。
現在の最新治療についてご紹介します。

広島共立病院 小児科医長 東 浩一 医師

食物除去の治療法を覆す二重アレルゲン暴露説
 乳児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーを伴うことが多く、原因となる食品を避けて症状を抑え、耐性を高めていくことが治療の中心でした。しかし、2008年、イギリスの小児科医Lack.G氏が二重アレルゲン暴露説を唱えたことで、大きく方向転換されました。それは、乳児期のアトピー性皮膚炎に伴う食物アレルギーは皮膚で起こるもので、必ずしも食品が原因ではないということです。
 そのポイントは、①食物アレルギーの発症過程は充分に解明されていないが「食べるからなる」「食べなければならない」という原則は成り立たない②バリア機能が低下した皮膚が刺激を受けやすくなることで、食物アレルギーを発症する③乳児期にアトピー性皮膚炎などを早めに改善することで、食物アレルギーの発症抑制が期待できる、ということです。さらに不要に食品を除去することで、食物アレルギーやアナフィラキシーを増加させる、とまで言われるようになりました。

Dual-allergen-exposure hypothesis for pathogenesis of food allergy.Tolerance occurs as a result of oral exposure to food, and allergic sensitization results from cutaneous exposure.
Lack G. : J Allergy Clin Immunol
121:1331-1336,2008

少しずつ食べることで耐性を高めていく
 現在、食物アレルギーの治療は、アレルギーの原因となる食品を少しずつ食べ、耐性をつけて普通に食べられるように導く方法が主流になっています。乳児期に食物制限を続けると、偶然口にした時、重症になりやすいのです。1歳半〜2歳までには腸管の免疫機構が出来上がるため、いろいろチャレンジしていくことが望ましいでしょう。こまめに食物負荷試験を行い、陰性になったら食物除去をやめ、症状がある時は、安全な量を正しく把握し、食べながら治療していくことが大切です。

※当病院では、入院での食物負荷試験を行っています。希望される方は、火曜日のアレルギー外来を受診してください(要予約)。